噛み合わせの重要性
Importance噛み合わせは、歯や歯を支える歯周組織、頭部~顎~首にかけての咀嚼(そしゃく)筋群、顎関節など多くの組織が関係していて、これらの調和のとれた働きによって、はじめて快適で安定した長期にわたって健康な状態を維持できる咬合、つまりは顎口腔系のシステムが構成されます。
噛み合わせが乱れると、顎関節に大きく影響します。顎関節は、体の軸である背骨につながっていて、全身のバランスを取る際に大切な役割を果たしているほか、首から上の筋肉とも密接に関係しています。そのため、顎関節のバランスが乱れると、全身に悪影響が及び、さまざまな症状を引き起こすのです。
噛み合わせの乱れが
引き起こす主な症状
噛み合わせが乱れた時にどんな問題が起きるかというと、歯に注目してみれば、過度な負荷がかかる歯は虫歯や歯周病になりやすくなります。
また、筋肉に不調和が生じていれば、筋肉のコリ・痛みとして症状が出ます。進行して関節の障害に進展すれば、いわゆる顎関節症状(顎がガクガク音が鳴る、口が開きにくい)が生じてしまいます。
噛み合わせの乱れが引き起こす
主な症状
- 歯ぎしり・食いしばり
- 歯の摩耗・破断
- 顎関節症
- 歯頚部の欠損(歯の根元)
- 歯周病
- 頭痛
- 肩こり
- めまい
- 不安・イライラ
- 気鬱
- 腰痛
噛み合わせが悪くなる原因
頬杖や噛み癖など、日常的に何気なく行っている癖が、咀嚼による力のバランスを乱し、噛み合わせのバランスを悪くする場合があります。数ミクロンのズレが少しずつ大きくなって、さまざまな悪影響を及ぼすのです。
また、残念なことに歯科治療が新たな噛み合わせの問題を作ってしまっている場合もあり、咬合力のコントロールが適切でなければ、更なるトラブルの原因を作ってしまいます。
主な原因
- 歯ぎしり・くいしばり
- 口呼吸
- 頬杖
- 歯が抜けたまま
- 被せ物が取れたまま
- 間違った噛み合わせの調整
当院の噛み合わせ治療
Occlusal Equilibration当院では、『ドーソンのオクルージョンの臨床』の著者であり、咬合学の世界的権威であるピーター・E・ドーソン先生
が提唱する「ドーソン咬合論」に基づき、正しい噛み合わせの審査・診断・調整を行っています。
また、正しい咬合調整の普及を目指し、「The Dawson Academy Japan」を開催し、
全国各地から多くの歯科医師にご参加いただいています。
ドーソン咬合理論に基づく
噛み合わせ治療
本当の噛み合わせは、歯と歯の接触を診るだけではわかりません。噛み合わせは、多くの組織と関連しているため、顎が安定している位置(中心位)を基準とし、噛み合わせを調整することが必要になります。
中心位を臨床に採用することは正しい噛み合わせを作るために不可欠なのですが、容易なことではなく、中心位の定義はさまざまで、採得する方法も多数あります。その中でも、ドーソンの提唱している方法は特に実践的で、従来日本で行われてきた「患者さんと医師の感覚」に頼るだけの噛み合わせ調整ではない、咬合理論に基づいた方法であり多くの臨床実績を上げています。
予防のために定期的な
噛み合わせチェックを
予防歯科と言えば、医院でのクリーニングをイメージする人も多いかと思いますが、それは本質的なものではありません。虫歯や歯周病などの原因である細菌(プラーク)のコントロールを軸に、リスクファクターとなり得る噛み合わせの状態をチェックし、適切な状態を維持することが大切です。
歯は一生涯付き合うパートナーです。現状の改善だけではなく、将来を見据えた治療のために、適切な咬合の診査・診断が行える医師のもとで治療を受けることを強くお勧めします。